進路ガイド 2026-09-16
大学ヨット部の強豪はどこ? 2025年度の全国9水域の成績で見る勢力図
「大学ヨット部の強豪はどこ?」と検索すると、関東の有名校の名前がいくつか挙がる程度で、全国的にどの大学が強いのかはなかなかつかめません。大学ヨットは全国9つの水域に分かれて予選が行われる仕組みのため、全体像が見えにくいことが理由のひとつと考えられます。本記事では、全日本学生ヨット選手権(インカレ)の年度別総合優勝校と、2025年度に行われた全国9水域の団体成績を整理し、大学セーリングの勢力図を確認します。
大学ヨット部の「強豪」は何で測る?
大学ヨットの強さは、①全日本インカレの総合成績、②水域予選での団体順位、③クラス(470級/スナイプ級)ごとの強さという3つの軸で見ると整理しやすくなります。
全日本学生ヨット選手権は、大学ヨットの全国大会です。団体戦として行われ、470級とスナイプ級という2つのクラスの成績を合算して総合順位を決める方式が採られています。この大会に出場するには、北海道・東北・関東・中部・近畿北陸・関西・中国・四国・九州という全国9水域のいずれかで行われる水域予選を勝ち抜く必要があります。主催は全日本学生ヨット連盟です。
大会全体の仕組みについては全日本インカレ観戦ガイド、水域予選の位置づけについては大学ヨット水域予選ガイドで詳しく解説しています。また、470級とスナイプ級の違いは470級とスナイプ級の違いにまとめています。
全日本インカレの総合優勝校は近年こう動いた(2019〜2025年度)
直近7年は早稲田大学が2020年度から5連覇を重ね、2025年度は日本大学が14年ぶりに総合優勝を果たしています。
| 年度 | 大会 | 総合優勝校 |
|---|---|---|
| 2019年度 | 第84回 | 慶應義塾大学 |
| 2020年度 | 第85回 | 早稲田大学 |
| 2021年度 | 第86回 | 早稲田大学(総合2連覇) |
| 2022年度 | 第87回 | 早稲田大学(総合3連覇) |
| 2023年度 | 第88回 | 早稲田大学(総合4連覇) |
| 2024年度 | 第89回 | 早稲田大学(総合5連覇) |
| 2025年度 | 第90回 | 日本大学 |
2024年度(第89回)の早稲田大学による5連覇は、大会史上初の記録と報じられています。同大会では470級・スナイプ級のいずれも早稲田大学が優勝しました。2025年度(第90回)は2025年10月30日から11月3日にかけて江の島ヨットハーバーで開催され、日本大学が総合523.8点で1位となりました。内訳は470級が1位(234点)、スナイプ級が2位(289.8点)で、日本大学にとっては14年ぶりの総合優勝となりました。なお第90回のスナイプ級は早稲田大学が優勝し、同クラスの連覇を6に伸ばしています。なお、早稲田大学ヨット部の創部は1932年と、大学の公式サイトに記載されています。
各大学のページとして日本大学、早稲田大学、慶應義塾大学を掲載しています。
2025年度・全国9水域の団体上位校(ヨットマニア集計)
2025年度の水域大会の成績を9水域分そろえて並べると、強豪の顔ぶれは水域ごとに大きく入れ替わることが分かります。
| 水域 | 大会(成績PDFの名称) | 470級 上位3校 | スナイプ級 上位3校 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 北海道インカレ団体戦 | 1位 北海道大学/2位 小樽商科大学/3位 室蘭工業大学 | (解析結果が艇単位のため団体順位としては掲載していません) |
| 東北 | 2025年度東北学生ヨット選手権大会 | 1位 東北大学/2位 東北学院大学/3位 新潟大学 | 1位 東北大学/2位 新潟大学(2校) |
| 関東 | 関東2025秋インカレ決勝 | 1位 日本大学/2位 早稲田大学/3位 慶應義塾大学 | 1位 日本大学/2位 早稲田大学/3位 慶應義塾大学 |
| 中部 | 秋季中部学生ヨット選手権大会 | 1位 名古屋大学/2位 愛知大学/3位 愛知工業大学 | 1位 名古屋大学/2位 名城大学/3位 三重大学 |
| 近畿北陸 | 復興支援令和7年度近畿北陸学生ヨット選手権団体戦 | 1位 同志社大学/2位 立命館大学/3位 京都大学 | 1位 同志社大学/2位 京都大学/3位 立命館大学 |
| 関西 | 2025年度 関西学生ヨット選手権 | 1位 関西学院大学/2位 関西大学/3位 神戸大学 | 1位 関西学院大学/2位 関西大学/3位 大阪公立大学 |
| 中国 | 中国 成績表2025 | 1位 広島大学/2位 岡山大学(2校) | 1位 広島大学/2位 岡山大学/3位 広島工業大学 |
| 四国 | 四国 2025インカレ水域予選 | 1位 愛媛大学/2位 高知大学/3位 徳島大学 | 1位 愛媛大学/2位 香川大学/3位 高知大学 |
| 九州 | 九州インカレ団体戦 | 1位 日本経済大学/2位 九州大学/3位 福岡大学 | 1位 日本経済大学/2位 九州大学/3位 福岡大学 |
ヨットマニアは、全日本学生ヨット連盟が公開する水域大会成績PDFを日次で巡回し、表構造を解析できたものをページ内で閲覧できるようにしています。2025年度分として取り込んでいるのは、全9水域あわせて20件です。上記の順位は各大会の公式成績PDFの記載をもとにした自動集計であり、詳細や艇単位の記録を確認したい場合は成績PDFリンク一覧から元の資料を参照してください。
ヨットマニアの加盟大学ディレクトリで大学ページを掲載しているのは、関東水域と近畿北陸水域の46校のみです。北海道・東北・中部・関西・中国・四国・九州の7水域については、大学ディレクトリはまだ準備中で、現時点では大会成績PDFのリンクとその解析結果のみを掲載しています。水域の一覧は水域一覧、関東水域のページは関東水域、近畿北陸水域のページは近畿北陸水域から確認できます。
関東水域は予選と決勝で顔ぶれが変わる
関東水域では「秋インカレ予選」と「秋インカレ決勝」という2種類の成績PDFが公開されています。予選の成績PDFでは、470級が1位 横浜国立大学、2位 法政大学、3位 芝浦工業大学、スナイプ級が1位 中央大学、2位 横浜市立大学、3位 東京大学という結果でした。一方、決勝の成績PDFに掲載されている大学数は、470級・スナイプ級とも15校で、上位3校は日本大学・早稲田大学・慶應義塾大学でした。同じ関東水域でも、予選と決勝のどちらの成績表を見ているかによって上位に並ぶ大学名が変わるため、順位を引用する際はどちらのPDFなのかを確認しておくと誤解を避けられます。関東水域の2025年シーズンの詳細は関東水域2025年シーズンで確認できます。
水域によって参加校数が大きく異なる
水域大会の成績PDFを見ると、中国水域の470級や東北水域のスナイプ級のように、解析できた成績表に掲載されている大学が2校のみという水域・クラスも見られます。関東水域の決勝が470級・スナイプ級とも15校であるのと比べると、成績表に並ぶ大学数には水域ごとに幅があります。同じ「1位」であっても、勝ち抜く相手の数は水域によって異なる点には留意が必要です。
なお、成績表に載る大学数の違いは、その水域の加盟校数だけでなく、その大会がどの段階(予選か決勝か、団体戦か)の記録なのか、成績PDFの表構造をどこまで解析できたかによっても変わります。順位そのものよりも、どの大会のどの区分の記録なのかをあわせて見ていくと、水域ごとの状況を読み違えにくくなります。
近畿北陸・関西は別々の水域として扱われる
近畿北陸水域(同志社大学・立命館大学・京都大学など)と関西水域(関西学院大学・関西大学・神戸大学など)は、名前は似ていますが別の水域として扱われています。近畿北陸水域は大学ディレクトリの対応が済んでおり、同志社大学、立命館大学、京都大学のページを掲載しています。関西水域については、大学ディレクトリはまだ準備中で、成績PDFのみの掲載となっています。
「通算優勝回数◯回」の数字が食い違うのはなぜ?
通算優勝回数は出どころによって数字が異なるため、年度ごとの優勝校で確認するほうが確実です。
「大学ヨット部 強豪」で検索すると、通算優勝回数を挙げる情報も見つかりますが、出どころによって数字が異なっています。SPAIAのコラム(2017年2月9日掲載)は、日本大学の総合優勝回数を通算11回で歴代1位と紹介しています。一方、早稲田大学 競技スポーツセンターのヨット部紹介ページには「全日本学生選手権での総合優勝はこれまでに9回」と記載されており、「2014(平成26)年から3連覇」「2020(令和2)年からも総合優勝が続いている」といった記述も見られます。これらの数値は掲載・更新の時点が反映されたものである点に注意が必要です。こうした差は、集計時点の違いや、団体戦・クラス別優勝の数え方の違いによって生じている可能性があります。したがって本記事では通算回数を断定せず、年度ごとの優勝校で示すことにしています。
強豪校を目指す前に確認しておきたいこと
強豪校かどうかと、自分に合う部かどうかは別の軸で考えると、入部後のギャップが小さくなります。
成績表の上位に並ぶ大学は、練習量や遠征の頻度が多くなる傾向が見られます。入部を検討する段階では、順位だけでなく次のような点もあわせて確認しておくと、入部後のイメージとのずれが小さくなります。
- 活動拠点となるハーバーの場所と、大学や自宅からの通いやすさ
- 使用している艇種(470級のみ・スナイプ級のみ・両方)
- 未経験者の受け入れ状況と、大学から始めた部員の割合
- 新歓から引退までの年間スケジュール
- 部費や遠征・合宿にかかる費用
大学ヨット部は、高校までの競技経験を問わず大学から始める部員が主力になっている部も多く見られます。入部先を選ぶ際のチェック項目は大学ヨット部の選び方チェックリストにまとめています。練習拠点や使用艇種は大学ページからも確認でき、たとえば法政大学や中央大学のページでは、拠点となるハーバーと出場クラスを掲載しています。各水域ページの加盟大学一覧からも、大学ページをたどれます。
2026年度(第91回)はどこで開催される?
第91回大会はレース公示によると、2026年10月14日から18日にかけて新西宮ヨットハーバーで開催される予定です。
第91回全日本学生ヨット選手権大会のレース公示(2026年9月4日版)によると、2026年10月14日(水)から18日(日)にかけて、新西宮ヨットハーバー(兵庫県西宮市)で開催される予定です。共同主催は全日本学生ヨット連盟・関西学生ヨット連盟・兵庫県セーリング連盟です。日程や会場は変更される場合があるため、最新情報は全日本学生ヨット連盟の公式サイトで確認することをおすすめします。大会日程は大会カレンダーでも案内しています。
まとめ
- 全日本インカレの総合優勝校は、2020〜2024年度は早稲田大学が5連覇、2025年度は日本大学が14年ぶりに優勝しました。
- 2025年度の水域大会成績を9水域分そろえると、強豪の顔ぶれは水域ごとに大きく異なることが分かります。
- ヨットマニアの大学ディレクトリは関東・近畿北陸の46校のみで、他7水域は成績PDFの掲載にとどまります。
- 通算優勝回数は出どころによって数字が異なるため、年度ごとの優勝校で確認するのが確実です。
- 第91回大会は2026年10月14日から18日、新西宮ヨットハーバーで開催予定です。
出典
- 全日本学生ヨット連盟
- 全日本学生ヨット連盟 水域大会成績(2025年度)
- 日本大学 悲願の14年ぶりインカレ総合V
- 早稲田大学 競技スポーツセンター ヨット部
- 早稲田大学 競技スポーツセンター 悲願のインカレ4連覇達成(2023年度)
- 慶應義塾体育会 第84回全日本学生ヨット選手権大会 結果詳細
- BULKHEAD MAGAZINE 日本大が全日本インカレ総合優勝(第90回)
- BULKHEAD MAGAZINE 早稲田大、全日本インカレ史上初の総合優勝5連覇(第89回)
- BULKHEAD MAGAZINE 早稲田大総合二連覇を飾る(第86回)
- 関東学生ヨット連盟
- 近畿北陸学生ヨット連盟
- 関東の大学ヨット部はどこが有名?次世代のホープを育てる大学!(SPAIA)
PR
この部活・競技を応援したい方へ
体育会学生を支援するプラットフォーム「ツナカレ」で、応援できる部活を探せます。
PR
取材してほしい部活を募集中
あなたの部活・大会を取材してほしい方はこちらからご依頼ください。
オフシーズン・引退後に、長期インターンという選択
部活で培った力を実務で試す。16タイプ診断(30秒)で合う企業がわかります。